銀河径一郎 小説、物語の部屋

銀河径一郎による不思議な物語、怖い話、面白い小説、ファンタジーなど。

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この話はつるさんのエイプリルフール企画 で書いたものです。
ちょっと長い&エイプリルフール薄っですが、WBCを楽しめた方ならついてこれるかも。

奇跡のバット



 ○

 野球発祥の地、ニューヨーク。
 まだ肌寒さの残る3月のゴールデンタイム。
 ヤンキーススタジアムはカクテル光線で真昼のように明るく、異様な熱気に包まれていた。
 ついにメジャーリーガー達が威信に賭けて総力でWBC決勝に駒を進めてきたのだ。今までのWBCはニセモノとばかりに、ロックが流れ、アメリカのダグアウトの前でチアガールが息を揃えて足を振り上げる。
 観客の9割はアメリカのファンという完全アウェイ。
 対するは、これまでWBCを連覇してきた、我らが侍ニッポンだ。

 侍ニッポンの主砲、深沢剛は立ち止まると、アメリカメディアにもミラクルバットとすっかり有名になったグリップエンドが異様に長いバットを胸の前に立て、グリップをゆっくり回転させて、丁寧にヘッドに傷がないか眺めてから歩き出した。

 ネクストバッターイズ ゴウ フカザワ ナンバーサーティファイブ

 剛がコールされると、スタンドからブーイングが沸きあがり、日本のファンたちのカメラのストロボが煌く。
 最高の舞台の右バッターボックスに、はるか海の向こうの母国から届く最大の期待を感じながら、剛は足を踏み入れる。
 
 ほんの三年前を思い出すとすべてが夢のように思える。
 そうあれは最悪だった、三年前の秋……。

 ○

 ピッチャーは胸の前でグラブを構えた。
 1塁ランナーがじわ、じわりとリードをとる。
 左肩越しのその視線はランナーから戻ると、バッターの剛を無視し、キャッチャーミットに向いている。
 ピッチャーの足が上がり、マウンドから踏み出された。
 マウンドの土が小さなしぶきのように舞い上がる。
 ピッチャーの肩がそり返り、後ろから回転する腕と共に一瞬に巻き戻される。
 すさまじい速さで振り下ろされる腕から白球が空間に放たれた。
 白球の軌道は外角、高さはウエスト。

 いただきッ!
 剛の腕は鋭くバットを繰り出す。
 が、白球は下にぶれ始めていて、瞬間、剛のバットは底側で硬球の頭をこすった。

 しまった!

 走り出すが、ショックで加速もいまいちだ。
 白球はボテボテのピッチャーゴロ。
 剛が目指す1塁ベースの上で、白球は小気味よい音を立て1塁手のグラブに収まった。
 小走りに引き返す剛にスタンドに陣取る味方応援団の中から野次が飛ぶ。
「へったくそ」「あんなタマ、俺でも打ってっぞ」

 ベンチから片膝だけ外に突き出し、鬼塚打撃コーチは腕組みをして次のバッターを見つめていた。
「すみません」
 剛がそう言って脇を通りすぎる時、鬼塚コーチはボソッと呟いた。
「深沢、来年は打順を下げるかもしれんぞ」
 甲子園でゴジラの再来と言われ、ルーキーの年は大変な期待を集めた。ホームランも最初の半年で15本打ち、一度はクリーンナップに入ったこともあったが、オールスターでの、ここ一番での勝負弱さが出てしまい、その後、負傷退場して以来、急速に成績が落ちてしまった。実際、甲子園でも準優勝に泣いたのだ。
 ルーキーイヤーから数年が経ち、今年は下位が定着している。今、下げるという意味は二軍落ち、さらにその先にあるのは自由契約、つまり解雇通告かもしれない。

 ○

 剛はシーズンオフになるや、長野のうら寂しい温泉地「阿谷木温泉」に篭って自主トレーニングを始めた。昔、番町と呼ばれたスラッガーが箱根の山に篭ったと報道されたことがあったが、球団の先輩によると、それ以外にも彼はこの阿谷木温泉を密かにトレーニングに使っていたという話だ。
 この温泉、旅館は数軒しかなく、湯治場と言った方が的を得ている。
 剛は古びた旅館に宿泊し、早朝から林道を走り山に登り、旅館に戻るとひたすら素振りを繰り返す日々を送っていたのだが、ある日の夕方、湯船に浸かっていると、白髪混じりの初老の男が剛の顔を覗き込んできた。

「ありゃ、おめぇ様、深沢選手だろ?」
 こうなると否定はできない。
「ええ、まあ」
 初老の男の声が上ずった。
「いやあ、驚いただ。
 おめぇ様、甲子園ではすごかったもんなあ」
 剛は黙り込んだ。「甲子園では」の「では」という言葉が重くのしかかる。
 初老の男も他にどう褒め言葉を探したものかと黙り込んだ様子だったが、いい話題が見つからず、話の行方をカーブ旋回させた。
「昔、ほら、番長もここへ泊まったんだに、知ってたかい?」
「ええ」
「おめぇ様も、山篭りかい?」
「まあ」
 初老の男はニッと笑みを浮かべた。
「知っとる?この先にバッチングセンターあるずら。行ってみたらせ~」
「バッティングセンターですか?」
 仮にもプロで3番を打ったこともある自分が子供相手のバッティングセンターに通うなんてプライドが許さない。
 そう思いながら、湯船のお湯で顔を拭うようにした。
 男の饒舌は止まらない。
「ああ、番長が来た時はこの村は大騒ぎずら。
 町長は防災無線で番長がわが村の阿谷木荘にご宿泊と騒ぎ立てただに。
 そへららせ~、町長の親戚の製材所の親父が、来年は番長がテレビやらいっぱい連れて来たらせ~いいなと思って、取らぬ狸の皮算用でバッチングセンター作ったんだに。
 そへららせ~、番長はそれきり来ねぇようになってしまって、見事な空振りだに、ワハハハ」
「ありがとうございます、じゃあ暇があったら」
 剛は話題を切ったつもりだったが、男の次の言葉に心が振り向いた。
「なにしろ番長のために一台は時速200キロも出る器械入れたんだけど、高校生が年に何回かするぐらいで蜘蛛の糸が張ってるだに」
 
 風呂から一緒に上がった深沢は初老の男に地図を書いてもらった。

 ○

 沢沿いの道路を山側に曲がると、電動ノコギリのそれらしい甲高い音が響いてきた。
 プレハブの倉庫のような建物が並んで見えてくる。
 一番手前の建物の前面が開け放たれていて、少し入ったところに薄緑の作業ズボンにクリーム色のジャージの上着を着た、70歳すぎという雰囲気の男が大きな台に組み込まれた電動ノコギリに角材を押し当てて、きれいに切り割っている。奥にいる三十台くらいの男と目が合い、バットケースをぶらさげた剛が会釈すると、相手も返したが、こちらに近寄って声をかけるでもない。
 剛は作業がひと段落した頃を見計らって声をかけた。

「すみません」
 老人はずり落ちかけた眼鏡の上から、剛を向いた。
「ああ」
「この辺にバッティングセンターがあるって聞いたんですが」
「ああ、ある」
 そう言ったものの、老人は再び角材を持つと、電動ノコギリで切り割ってゆく。
「あのう」
 しかし、老人のひたむきな視線には剛の質問を寄せ付けない職人気質が溢れていた。
 電動ノコギリの甲高い音が響き渡る。
 剛は黙って老人の作業が終わるのを待った。

 やがて老人は切り出した角材を丁寧に積み上げると、作業ズボンのポケットから鍵を取り出した。
 奥にいる三十台の男に「登志男、わしは、こん方にバッティングセンター開けてくるだに」と言い残し、外に向かって歩き出した。

 剛は急いで老人の背中を追いかけ、老人は隣の倉庫の扉を開けた。

 かなり天井が高い、12メートルぐらいあるだろうか。
 老人が中に入り、山の林側にあたる壁際に寄って、天井から下がる鎖を引くと、鉄の引き戸がガラガラと大きな音をたてて、陽光が差し込んだ。
 杉林の梢高くに緑のネットが張られて、倉庫、いやバッティングセンターに向けてボールが転がるように裾野を広げている。
 その手前にピッチングマシンが三台並んでいる。
 一番奥のひとまわり大きいマシンが時速200キロ出るマシンなのだろう。
 反対側はバッターボックスがみっつ並び、さらにその奥には倉庫の中にまた小さい倉庫があるような感じだ。
 老人は小さい倉庫に歩いてゆくと、中から一本の長いバットを持ってきた。
 剛に差し出しながら老人が言う。

「振ってみい」

 それは変わったバットだった。
 ずしりと重く、長い。
 そして何よりもグリップが極端なタイカップ式というグリップで、わかりやすい言い方なら、普通のバットの柄の末端部分が10センチも無駄に伸びている、常識からすると不恰好な形なのだ。

「これはプロでも長いな」
「長さは101センチ、重さは1001グラム。
 わしが作った傑作だに。
 振ってみい」

 プロ選手でも1キロのバットは殆ど使わない。
 剛は二歩下がってスペースを確保し、構えて振ってみた。

 ヴゥーー。

 通常より太いバットは風を切る音も少し低い。
 いつも使ってたバットの感覚があるから違和感が残るが、見た目ほど、そのバランスは悪くなかった。

 ヴゥーー、ヴゥーー。

「ほほーお、いい振りするだに」
 二度、三度と素振りをする剛に、老人の顔がほころんだ。
「このバットをそんなに軽々と振るやつはおめぇ様が初めてだに」
「意外とバランスがいいですね」
「世間ではようバットを短く持つが、あれではグリップの止めがきかんから、バッターは遠心力でスッポ抜けるのを防ぐため無駄な握力を使ってるに違いないと思ついたずら。それでグリップ様の方が詰めてきてやったずら」

 そうか。
 剛は天啓のように悟った。
 長く重いバットのメリットは、当たれば打球が遠くに飛ぶということだ。
 だが、長く重いバットは重心が先にずれるので振り出しが重く遅れる。
 このバットは太めの握りを伸ばした分、バット自身のバランスが手元に近くなり、その重さにも拘わらずシャープに振れるのだ。

 しかし、普通のバッターにはやはり重過ぎる。
 しかも内角に食い込むボールを打つ時は、伸びてる柄の部分が邪魔に感じるだろう。
 これを操れるのはプロのスラッガーだけだ。
 さらに、かなり時間をかけ練習して内角を打つ感覚を身につける必要がありそうだ。
 幸い、自分には時間がたっぷりある。
 これは運命の巡り合わせかもしれないぞ。

 剛はすぐに決意して、老人に頭を下げた。
「お願いします、このバット、使わせて下さい。
 自分はこれでもプロなんです、このバットが気に入りました」
 老人は腕組みをしてうなづいた。
「そへららせ、値段はこっちの言い値だに」
「はい、いいです」
 相場の二、三倍でも無理しよう、剛はそう思って言ったのだ。
 すると、老人は指を三本立てて突き出した。
 三十万か?高すぎるぞ。
 剛がそう思った瞬間、老人が言った。

「一本三千万円!」

 剛は目が点になった。
 高すぎるにもほどがある。
「それは無理ですよ」
「あほぐざらせ、何億も稼ぐプロの商売道具なら安かろう」
「しかし、自分は」
 二軍落ちを控えた身なのだ。
 たしかに最初の契約金の貯金があるにはあるが、スポーツ選手の将来に全く保障はない。三千万は払うわけにいかない。それに…。
「しかし、一本三千万円て、プロが一年に何本バットを折るか知らないんですか?」
「まだあほぐざるかい?わしの最高傑作ずら、絶対、おっぼしょっては困る」
「おっぼすっ?」
「折るっつうことだに。
 おっぼしょらないようにまず訓練するだ。練習用バットはただでやるだに」
「いや、それでも折ってしまうものなんですよ。
 たとえイチローさんが折らないようにしたって、たまに折るんです」
「わしがコツを教えてやるだに。
 おめぇに売ってやるバットは神の宿るバットずら。
 思い通りにヒットが打てる、思い通りにホームランも打てるだに」
「とにかく折らないよう努力してもちょっとしたきっかけで折れるもんなんですよ」
「わからんやつじゃのう。
 これは練習用じゃが神棚に供えてるのは神の宿るバットだに、おめぇは日本一の打者になれるだ。
 おめぇはおっぼしょって天罰が当たらんように、神の宿るバットを必死におっぼしょらんよう、振るだけずら」
 剛は困って溜め息を吐いたが、老人はけしかける。
「このあたりの湯治場なんどで埋もれとっていーんかい?
 ここからトップに駆け上がってみたらよからあず。
 おめぇにはそのバットを振るだけの力と素質があるだに。それだけでも日本に数人という勘定だに。この幸運を素通りしていーんかい?」

 ○

 剛は、日比野と表札の出た老人の家に案内された。
 割烹着のまま、こたつに入っていた老人の妻が、剛の180を越す長身を見上げて「ありゃ、たまげた」と驚いた。
 しかし、それでいてすぐにのんびりとした声になって言う。
「おめぇ様、お茶と野沢菜、お上がりて」
 老人は妻に報告する。
「トキコ、深沢剛選手じゃ、この方が神棚のバットを買うてくれただに」 
 老人が剛を紹介すると、剛は焦る。
「いや、まだ買うとは決めてません」
「さっき欲しい、言うただに」
「いや」
 老人は剛を引っ張って神棚のある十畳ほどの応接間に入った。
 老人は神棚に向かって、二拍手、二礼すると小声でぶつぶつと唱え、台形の踏み台を持ってくると、それに上がって神棚に乗せられていたバットを恭しく捧げて、踏み台を降りた。
 さっきの練習用よりも木肌の白いバットは見た目も美しかった。
「どうずら?」
 剛は手を伸ばしかけながら、握ったらもう欲しくなるような気がした。

 構うもんか。 

 剛はその美しいバットを握った。
 心なしか、さっきの練習用バットより手にしっくりとくる。
 神が宿るかどうかはわからないが、いいバットであることは間違いない。
 そうだ。
 このバットは俺を待っていたのだ!
 そうだ、このバットで俺はホームラン王になる!
 どうせ、二軍落ちなのだ、ここから背水の陣で盛り返すしかない。

 このバットでホームラン王になってやる!
  
 気がつくと、剛は老人に言葉を発していた。
「お金は今週中に振り込みます」
 老人はニヤと笑った。
「練習用バットは2000本あるだに。これから特訓するだに」
「はい」
 剛は神の宿るバットをケースに収めると老人と応接間を出た。
 湯呑みにお茶を注いで待っていた妻が言う。
「おめぇ様だち、お茶と野沢菜、お上がりて」
「あとにするず」
 
 ○

 バッティングセンターに戻り、剛に練習用バットを渡すと、老人は一番大きなピッチングマシンに油を差して、スイッチを入れてバッターボックスの剛の横に戻って、マシンと繋がっている端末のボタンを押した。
「とりあえず、140キロで、コースアトランダムっつう設定だに」
 そう言って老人は手のひらを開いて出した。
「1万円に負けとくずら」
 ピッチングマシンの代金請求らしい。
「またぼったくるんですか」
 剛が言い返すと、老人がむっとした。
「人聞きの悪りいー、一ヶ月分だに、毎日の電気代引いたら儲けはないだに」
 一ヶ月ならまともな値段だろう。
「あ、すみません」
 剛はその場で1万円を払った。これからは毎日特訓をして、あのバットを自分の武器としなければならない。

 剛が気持ちを引き締めてバッターボックスに立つと、老人はまるで前から自分についている打撃コーチのように指示を授けた。
「いーかい、深沢、これから2000本のバットをおっぼしょる練習をするず」
 剛は意外な言葉に思わず言い返した。
「バットを折らない練習じゃないんですか?」
「イチローがおっぼしょらないようにしたところでおっぼしょる、おめぇもそう言っただに」
「はあ、言いましたけど」
「そいつは、どうなるとおっぼしょるかをイチローですら詳しく知らんからだに」
「まあ」
 そういうことになる。
「おめぇはそれでは困るだに、
 神が宿るバットは一本きりしかねえずら、絶対折ってはならんだに。
 それにはどういう時に折れるか徹底的に覚える、そしてその時を絶対に避ける。
 これしかないだに」
「なるほど」
 完全に納得はできないのだが、今は老人の言うことに従ってみるしかなさそうだ。
「やってみます」
「うん、そへららせー、おめぇはイチロー以上のバッターさ、なるずら」

 ピッチングマシンがボールを投げてくる。
 ふ、外角低めだ。
 剛は鋭くバットを振り出し、ボールをジャストミートした。
 打球はピッチングマシンの右上をかすめて、ネットに向かう。
 これはヒットだな。

 しかし、老人が叱咤する。
「普通に打つんじゃだめだに。
 どういう球筋でもバットがおっぼしょる振り方を探すずら。
 打つんではなく、おっぼしょってその悪い振り方を覚えるのが目的だに」
 剛はうなづいた。

 つい、体が普通に打ち返すように反射してしまうのだ。
 そりゃそうだ、小学生の頃から20と何年、うまく打ち返すことだけを体に染み込ませてきたのだから。
 バットを折る悪い振り方か……。

 プロが使う木製バットは柾目と板目があり、当てる角度が限定されている。強度と反発力があるのは柾目方向だけだ。バットに入ってるマークは単なる飾りではなく、板目の面を示している。だからマークは決してボールに向けず、常に天か地を向けて振る。構える時は90度旋回する前だから、逆に完全にピッチャー側に向けるか、完全に裏を向けるのが正しい。これ以外はプロ失格の振り方、構え方だ。
 それを満たした上で、ミートする瞬間、バットの頭がピッチャー側に向くか、キャッチャー側に向くかがバットコントロールのしどころとなる。
 しかし、今の課題はわざと折るように振るということなのだ。
 剛は心がけてボールに悪い角度で当てようと試みた。

 ボールが放たれると、バットを振り出すタイミングを早めてみる。
 当然、打撃の瞬間、バットの頭はややピッチャー側に向く。
 するとボールは三遊間方向に飛んでゆく。
 感触も軽いのは、反発がいい証拠だ。
 やはり逆が折れやすいか。

 今度はバットを振り出すタイミングを遅らせてみる。
 打撃の瞬間は、バットの頭はややキャッチャー側に向く。
 やはりこっちだろう。
 だからといって簡単に折れはしない。
 ボールは一二塁間に飛んでゆく。

 後は折れる原因としてはボールとバットの中心軸がずれることだろう。
 あまりずれたら、かすってチップになり、バットへのダメージは少ない。
 バットの芯を外し、もう少しダメージが大きい振り方か。

 考えると、折り方はなかなか難しいものだ。
 
 剛はいろいろと考えながら、バットの角度を変えていき、ボールを打ち返したが、折ろうとしてもなかなかバットは折れてくれない。
 バットが折れた時はなんでこう簡単に折れるんだよと思うのだが、こう折れないと、これは折ろうとするから折れないんじゃないかと非科学的な発想が湧いてくる。
 さんざん振り回して、二時間は確実に経っていたと思う。

 内角のボールが来る。
 やや早めにバットを出す。
 スイングは上向き、ボールはまっすぐ。
 当たった場所は、ヘッドから25センチぐらい、軸より少し上。
 瞬間、ボールをヒットする音とバットが折れる鈍い音が重なり、きれいなヒットと違う振動がグリップに伝わった。
 これだ。
 ようやくバットが折れた。

 剛はバットの破片を拾うと、後ろに置いてあった大きなポリバケツに捨てた。

 老人は微笑みながら新しいバットを渡して訊く。
「どんだ?少しは感覚が掴めたかい?」
 剛は振り返るように目を閉じて頷いた。
「ええ、少し。
 折ることを意識してるせいか違いますね。
 前は、ああ、折れちゃったか、と思うだけで少しも記憶に残らなかったけど、今、折ろうと意識してみると、より細かい感触がわかりました。
 といってもまだまだという感じです」
「その調子で続けるだに。終わったらうちで飯を食うずら」
 老人はそう言うと、バッティングセンターから去った。

 剛はそれからも暗くなるまで球を打ち続けた。

 ○

 表の製材所で仕事を片付けていた老人と一緒に日比野の家にあがると、こたつの上には所狭しと天ぷらや刺身、焼肉など料理が並べられていた。
 老人が席についていた妻と登志男にうなった。
「えれえ、おごっそ(ご馳走)だな」
 鯛の姿造りは海から離れたこの山奥では特別な料理だ。
 妻が答える。
「登志男が、野球のみやましい選手がおいでなさったらせー、おごっそせにゃと頼んでくれただに」
 老人は剛とビールで乾杯して訊ねた。
「どんだ?何本、おぼしょった?」
「4本です」
 球数にしたら千球を越えたと思う、しかし、折れたバットはたったの4本だ。
 とうてい折れる感触をしっかり掴むところまではいかない。
「んま、そんなとこだな。あどおっぼしょるバットは1996本あるだに。また明日もがんばるず」
「はい」
 老人は唇の上についたビールの泡を舌でなめると言う。
「深沢、旅館ば、引き払ってうちに住めばいいずら」
「え」
「登志男が使ってた部屋が空いてるずら」
「そうだに、こんなとこだども使ってええよ。
 こげな料理は毎日出せねえども、野沢菜は食べ放題だに、好きなだけ上がってけろだ」
 妻は嬉しそうに言って笑った。
 遠慮してみたものの、これから先、バットを自分の武器にするまでは少なくても数ヶ月はかかるだろう。
 何日か話し合ううちに、結局、剛は日比野老人の家にやっかいになると決まった。

 深沢は日比野家に滞在し、ひたすらバットを折る訓練を続けた。

 やがて球団からキャンプに来るように携帯に連絡がたびたび入るようになったが、深沢の答えは辞めたいというものだった。そして、深沢剛の任意引退が発表された。

 深沢はその後も、2000本のバットを折る訓練を続け、8ケ月後に完遂した。

 休む間もなく、今度は神の宿るバットで、自在に打つ訓練を始めた。
 
 もちろん、剛は、はじめ、そのバットに本当に神が宿るかどうか疑問を持っていた。
 科学文明の発達した現代に、そんなことがあるとは思えない。
 しかし、いよいよ神の宿るバットでのバッティング練習を始めると不思議なことに気づいた。

 ピッチングマシンがボールを高速で投げてくる。
 外角低目
 ライナーでライト方向に打ち返したいと、考える。
 そこで鋭くバットを振り出すと、ボールはライト方向にライナーとなって飛んでゆくのだ。
「おやじさん」
 剛は老人のことをそう呼ぶようになっていた。
「なんだか、このバットは自分の思った通りに打てるんです」
 剛が言うと、老人は大きく頷いた。
「言うたずら、思い通りにヒットが打てる、思い通りにホームランも打てるず」
 剛はしげしげとバットを眺めてつぶやいた。
「つまり、このバットは神の」
「ああ、神の宿るバットだに」
 老人はそして付け加えた。
「だから絶対におっぼしょってはならねぇだに」

 ○

 1年後、入団テストの当日、野手担当の鬼塚コーチはグランドに一列に並んだ志願者を何気なく眺めていた。
 が、一人の男の顔に驚いた。
 そこに、一身上の都合で任意引退となった筈の深沢剛がいたからだ。
 髪の毛は肩まで伸び、髭をたくわえたその顔は、以前よりぐっとたくましくなっていた。予想だにしない深沢の出現に、鬼塚は早足で歩み寄った。

「どうしたんや、深沢!」
「コーチ、ご迷惑をおかけしました」
「なぜ、一度も連絡せず勝手に辞めたんや。皆、かんかんやったぞ」
「山に篭ってたんです。
 どうしても一年以上の訓練が必要になって、その長い期間を休むのは球団に迷惑がかかりますから、辞めさせてもらいました」
「あほか、連絡ぐらいしいや。
 んなもん、常識や、見損なったで」
 鬼塚が怒っても、剛は平然としている。
「規約を確かめたら、自分の都合で辞めた場合は球団に所有権が残るんですよ。
 訓練がモノになれば恩返しする、モノにならなきゃそのまま消える。
 その方がいいと思ったんです」
 深沢は笑みを浮かべてしゃあしゃあと言った。
 逆に言えば、よそに行けないように、自分の退路を断つためにわざと任意引退したとも言える。高い契約金を払った上に勝手に辞められて怒った球団に、再度自分を認めさせる自信が俺にはあるのだ、そう言いたげだ。
 鬼塚の目が光った。
「ふん、よほどの自信があるんやな。
 権利はウチにあるかもしらんが、お前はただのテスト生の一人や。
 場合によっちゃ俺の一存で野球界から永久追放したるから、そう思え。
 その自信、確かめさせてもらうで」
 鬼塚はスタッフに言った。
「おう、一軍のピッチャー、呼んで来いや。
 一人、大馬鹿野郎のテスト生が来たから返り討ちにしてやるんや」
 そう言う言葉は少し嬉しそうに響いた。

 遠投、垂直跳び、五十メートル走と項目をこなして、バッティングのテストの時間になった。
 テスト生のバッティングピッチャーは通常は二軍の選手が務めていたのだが、深沢の番になると、以前の同僚であり、かつて甲子園で因縁のライバルであった、一軍エースの青山がマウンドに向かった。
 一方、深沢は、バットケースから異様にグリップエンドが伸びたバットを出して、右バッターボックスに入る。

 甲子園夏大会決勝のシーンが甦る。
 9回裏2アウト、走者2、3塁。4番ゴジラの再来と呼ばれた深沢が打てば優勝。しかし敬遠されたら5番は期待できないという場面である。
 しかし、青山はキャッチャーの敬遠サインに首を横に振り、真っ向勝負のストレートを投げ続けた。結果、5球ファウルで粘ったものの、深沢は三振して敗れた。
 おかげで、ピッチャー青山の評価は急上昇した。

「青山、遠慮すんな、その山賊にプロの勝負球を見せたれや」
 鬼塚コーチが吼える中、深沢が帽子を脱いで頭を下げると、青山は頷いた。

 プロではライバル同士が同球団となったため、どちらかがトレードでもされなければ永久に可能性の消えてしまった、あの因縁の対決が今、この入団テストで実現するとは、誰が予想しただろう。
 鬼塚コーチはもちろん、他のテスト生たちも固唾を呑んで、対決を見守った。

 青山が足を跳ね上げ踏み出し、反り返った肩の後ろから一気に腕を振って速球を投げ込んだ。

 速い!

 まだ寒いこの時期によくこんなにスピードが出せるものだと感心する、ベストナイン投手ならではのストレートだ。
 球は外角の低目に突き刺さる勢い
 センター、ライナー
 剛は一瞬に打球の飛ぶ方向をイメージする。
 次の瞬間、深沢のバットが、まるで舞い降りる鷹の爪のように鋭くボールを捉えた。

 カーン!

 どよめきが起きた。
 ボールはライナーの弾道を描いてセンターの柵の向こうに消えた。

「すげえー」「まじ鋭いぜ」
 テスト生たちは自分たちがテストを受けに来ていることも忘れて、因縁の対決、第一球に勝利した深沢のバッティングに酔った。

 次の投球は対角の内角低めのストレート。
 レフト、大フライ
 深沢は今度はゴルフスイングで打ち返した。

 カーン。

「オー」という声が湧き上がる。
 ボールは大きな弧を描いてレフトの柵の向こうに消えた。

 次の投球は真ん中から落ちるフォーク、さすがに今度は変化球でタイミングをずらそうというわけだ。
 一二塁、ゴロ
 深沢は惑わされることなく、叩きつける。
 打球は鋭いゴロで一二塁間の方向をすり抜けた。

 その後も緊迫の対決が続き、やがて、
「よおし、ええやろう」
 鬼塚コーチが言うと、青山は深沢に駆け寄って握手した。
 宿命の対決は10球行われ、柵越えが5本、外野フライが2本、ゴロが2本、空振りが1本。
「負けた、完敗だ、どえらい怪物になって帰ってきやがったな」
 甲子園のライバルの褒め言葉に深沢は照れ笑いを浮かべた。
 青山は笑顔を深沢に向けたまま、鬼塚に向け大声で叫ぶ。
「コーチ、こいつは合格にしてウチで飼い殺しにしてください。
 こんなやつがよそのチームに入ったら、ピッチャーはたまったもんじゃない」
 鬼塚コーチは手のひらを上げて苦笑いした。

 ○

 任意退団の時は深沢を5行で片付けたスポーツ新聞が、あれから1年数ヶ月で主砲の地位を不動にした深沢について、今度はことあるごとに一面、カラー写真入りで扱った。

 深沢、連日のアーチ、奇跡の復活!

 帰ってきた怪物深沢、連続本塁打記録更新!

 深沢、驚異的な打率 早くも優勝見えた!

 華々しいタイトルが踊る。
 前半戦の打率は5割8分2厘、本塁打は21本をマーク。
 当然、オールスターにも選ばれ、MVPに輝く。
 後半戦も打率、打点、本塁打数の三冠王を取り、チームは優勝。
 日本シリーズにも優勝した。


 その翌日、深沢は2ヶ月ぶりに日比野老人に電話をかけた。

《おやじさん、ご無沙汰してます、深沢です》

《おお、三冠に続いて日本一かい、おめでとう》

《ありがとうございます。神の宿るバットのおかげですよ》

《ああ、おめぇもうまくバットを守ったずら》

《そりゃあ、折ったらおやじさんに半殺しですから》

 剛が言うと、老人は笑った。

《ははは、空振りはそうずらな?》

《半分ぐらいはそうです、バットが折れそうなコースの時は、ヤマが外れたふりをして空振りしました。
 それをごまかすために打てるコースも時々、空振りして、俺の最大の弱点を見破られないようにしてます。
 あと本当の空振りも一、二割近くありますが》

《んん、うまいごとやっとるだに》

《おやじさんは名前出さなくていいんですか?
 またバット作りで儲けられるかもしれないのに》

《いや、俺はもう引退だに、おめぇのバットが大活躍して、これ以上ない光栄だで》

《おやじさん、本当に感謝してます》

《そんなことより、来年はWBCがあるだに》

《そうですね、選ばれたら頑張ります》

《選ばれるのは決まりずら、おめぇよりすごいバッターは世界中探してもいねえだに》

《なんか夢みたいですよ、そこの温泉に行く時は地獄行きみたいな気分だった》

《わはは、人聞きの悪りぃー、旅館のもんが聞いたら泣くずら》

《あ、すみません》

 剛は頭を掻いた。

《そへららせ~、世界一になってくれよ》

《は、はい、なります、きっと》

 剛は日比野老人に世界一を獲ることを約束した。

 ○

 そして、今、剛は、WBC決勝戦の舞台に立っているのだ。

 今回のWBCは今までと違っていた。大リーガーを参加させるために優勝賞金が跳ね上がり、ようやくアメリカが本気モードに入ったのだ。本気のUSAは全戦全勝であっという間に決勝戦に駒を進めてきた。
 侍ニッポンも他を寄せ付けない強さで決勝に勝ち進んだ。
 中でも剛の高打率、多本塁打、高得点の打撃は群を抜いて光っていた。


 熱狂の完全アウェイの中で始まった決勝戦の先発ピッチャーは日本が松坂、アメリカはクリフ・リーというエース同士で、甲乙付けがたい素晴らしいピッチングを披露した。

 2回の剛は2塁打を放ったが、後が続かなかった。

 4回の剛は三振した。神の宿るバットを守るために仕方ない三振だった。

 5回までは日米共にピッチャーの好投に無失点に抑えられていた。
 
 しかし、6回表、松坂の握力がやや翳りを見せると、どこから切ってもメジャーのクリーンナップと、いわば金太郎飴状態のアメリカ打線がついに火を吹いた。
 先頭打者がホームラン、続いて、2塁打、1塁打、犠牲フライで一点追加。
 次が三振も、五番手がまたヒットで一点追加。
 後続を討ち取ったが、3点の差がついた。
 
 その裏、侍ニッポンの攻撃は剛からだ。
 剛が右バッターボックスに向かうと、ブーイングが飛び交い、カメラのストロボが煌く。

 左腕クリフ・リーは、ストレート、カーブ、チェンジアップと球種は少ないが、コントロールして低めに丁寧に投げてくるので、日本受けしそうなタイプのピッチャーだ。
 しかし、スピードは驚くほどではないから、そろそろストレートは長打できるはずだ。

 ランナーがいないのが勿体ないが、ここはホームランを打たせてもらう。

 剛は神の宿るバットを後ろに引き、いつもそうするように少し寝かせて構えた。

 リーの右足が巻き上げられ、左腕が唸った。

 外角低め
 初球ストライクを取りに来た
 ストレート!
 ライト、大フライ、
 素早くイメージして、剛は一瞬の間合いを取り、鋭くバットを繰り出した。

 カーン、

 バットの軸とストレートが一点で出会い、小気味よい音が響いた。

 白球はみるみる高度を上げて遠ざかり、ライトスタンドを埋めているUSAファンの中に飛び込んだ。
 線審が頭の上で、くる、くるりと拳をまわす。
 どよめきがスタンドをゆらした。

 日本のベンチから歓声が湧き上がる。
 剛はゆっくりと1塁を回り、日本のベンチを振り返りガッツポーズをした。
 見ると、USAファンにも立ち上がって拍手してくれるやつが何人もいる。
 敵チームでもいいプレーは賞賛するというファンマナーが出来ているのが、嬉しい。

 剛のホームランで3-1と2点差に詰めたものの、後続の得点はなかった。
 
 7回表のマウンドは松坂に替わって青山が向かった。
 青山はマウンドからセンターの剛を指差して、自分を指差した。
 あいつ、次のヒーローは俺だってアピールしてやがる。
 剛は笑いながらグラブを叩いた。
 青山はいきなりフォークで2番ペドロイヤの打ち気を逸らし空振りをさせると、素早いテンポでストレートを続けて、あっという間に三振を取った。
 続くラドウィックはスライダーでイチローへのイージーフライだ。
 4番ジョーンズはストレート、フォーク、シュート、フォークで空振り三振と、三者凡退に切って取った。

 剛がベンチに引き上げて「ナイスピッチン」と声をかけると、青山は「もう一発でかいの飛ばしてくれよ」と笑った。
 
 7回裏はアメリカも中継ぎ投手にダウンズを繰り出し、日本は8番岩村と1番イチローがヒットし、1、2塁のチャンスを作ったものの、得点には至らず。

 8回表、7回に続いて青山が気迫のピッチングを見せていたが、やや甘くなった球をバークマンにホームランにされて1点を献上、それでも気を取り直し後続を断ち切った。

 4-1とされた8回裏は1アウトの後再び剛がバッターボックスに入った。

 ピッチャーはジョー・ネイサンがコールされた。USAの総力戦の意気込みが伝わってくる。
 身長190センチを超える巨漢のネイサンがマウンドを踏み慣らし投球練習が始まる。 160キロ近い速球、続いて140キロそこそこのカーブ、緩急の差が大きい。
「あいつらは心の底ではストレートこそがキングだとまだまだ思い込んどるんや。深沢、打てそうだと思うたら、ストレートを打ち崩したれや。やつらのプライドを揺さぶるにはその方が効くんや」
 鬼塚コーチは剛にそうアドバイスした。
  
 剛は神の宿るバットを後ろに引き、少し寝かせて構えた。
 ネイサンの上体が前進し、高い位置から右腕が振り下ろされた。

 真ん中低め
 スピードが乗っている
 ストレート!
 センター、ライナー。
 剛は、鋭くバットを繰り出すが、タイミングが一瞬遅かった。
 空振りだ。

 スタンドから歓声が上がる。

 剛はいったんバッターボックスを外して、今のスピードを頭の中で再現する。
 よし、次は大丈夫だ。
 剛は頭の中でスピードのイメージを繰り返しながら、バッターボックスに入り、神の宿るバットを構えた。

 2球目、今度は遅い。
 低すぎるカーブ。
 剛は完全に止まって見送った。

 3球目、外角高め
 スピードが頭の中のイメージと一致する
 ストレート
 ライト、大フライ。
 剛は鋭くバットを振った。
 
 カーン
 またやられたかとスタンドのアメリカ人たちが静まり返る。
 行ったか?
 
 剛は数メートル駆け出しながらボールの行方を見つめる。
 高度を上げた白球は落下を始めている。
 それを目指しライトのラドウィックが走る。
 白球はスタンド手前の塀にぶつかって、グランドに転がった。
 剛は1塁ベースをまわり、加速する。
 ラドウィックがボールを捕まえ、投げる。
 剛はスライディングして2塁ベースに立った。
 喝采を送る日本ベンチに拳を突き上げて答える。
 
 次の打者5番稲葉の時、ヒットエンドランのサインが出た。
 剛はピッチャーネイサンの投球と同時にスタートする。
 稲葉は一二塁間を狙いすましたような強いゴロを打った。
 打球がライトに向かうところで、剛はゆうゆうとホームを駆け抜けた。
 これで4-2だ。
 この後、稲葉は牽制で刺されて攻撃が終わる。

 9回表は杉内がリリーフに立った。
 鋭いスライダーとカーブでコーナーを突き、ジョーンズにヒットを許したものの、ジーターを併殺に仕留めて、無得点に抑えた。

 いよいよ、9回裏、4-2から日本の攻撃。
 アメリカはクローザー投手としてパペルボンを送り込んだ。 
 侍ニッポンは少なくても2点取らなければ、アメリカに敗北する正念場だ。
 しかし、逆に3点を取れればサヨナラ逆転優勝が舞い込む。

 7番小笠原は粘った末に執念の三遊間ヒットで出塁。
 残念ながら8番岩村は、9番里崎は、凡退して2アウトのピンチ。
 そこで、1番イチローはピッチャーの頭上を抜けるヒットで、ランナー1、3塁と大きくチャンスを広げた。

 ここで2番中島がセンター前にライナーを飛ばし、これで3塁走者小笠原がホームインし、4-3と1点差になり、日本ファンが大騒ぎとなった。

 3番青木はサードの右を抜くかというゴロだった。しかし、サードジョーンズはボールに飛びついてよく止め、イチローに睨みを効かせ1塁に送球したもののセーフ。
 2アウト、満塁というお膳立てで、剛に打順が巡ってきた。
 ホームランはもちろん、長打を打てばサヨナラ逆転優勝だ。
 
 ネクストバッターイズ ゴウ フカザワ ナンバーサーティファイブ

 カメラのストロボが煌く中、剛がコールされると、スタンドから一斉にブーイングが沸きあがる。
 剛はいつものように神の宿るバットを立て、グリップをゆっくりとまわしてヘッドをチェックしてから、右バッターボックスに入った。

 パペルボンがグラブの中で、球を握り直し、剛はバットをやや寝かせ気味に構える。
 パペルボンが左膝を胸まで引き付け、右腕をテークバックする。
 剛の吸気はそこで一瞬止まり、パペルボンの右手が伸びて、白球をリリースするところで静かに吐き出し始める。

 外角ウェスト
 スピードは8回のネイサンと同じくらい速い。
 ライト、大フライ
 剛はバットを繰り出すが、微妙なキレにチップにさせられる。
 スタンドから大歓声が上がった。

 剛はバッターボックスを外し、コーチを見て、サインを確認する。
 特に指示はない。
 アメリカチームは、外野はバックホームに備えて前進守備、内野は間を抜かれないようやや深めの守備体勢だ。

 再び、右バッターボックスに入ると、スタンドからUSAコールが湧き上がる。
「USA、USA、USA、USA」
 さらに足まで踏み鳴らすので、すさまじい音量だ。

 パペルボンが再び、左膝を胸まで引き付け、右腕をテークバックする。
 パペルボンの右手が伸びて、白球をリリース。
 またも外角ウェスト
 初球の勝ちで調子に乗ってる。
 そうはいくか。
 ライト、大フライ
 剛は鋭くバットを振り抜いた。
 カーン
 打球音と共に一瞬の静寂、そしてどよめき。
 ライト線審が体の右側に腕を突き出し、ファールだ。
 2ストライクに追い込まれた。
 もう1球ストライクならアメリカの優勝だ。
「USA、USA、USA、USA」
 さらにUSAコールが大きくなる。

 剛はバッターボックスを外し、バットをまわして見つめた。
 神の宿るバットよ、今こそ、俺にホームランを打たせてくれ。
「USA、USA」の声が降りかかって来る中、剛は心の中で祈った。

 地鳴りのような歓声が続いている。
「USA、USA、USA、USA」
 3塁ベースから一歩離れたイチローさんが何か叫んだ。
 フィールドでは絶対冷静なイチローさんが叫ぶなんて初めて見た。
 圧倒的なUSAコールで声が届く筈はなかったが、剛はイチローさんの口の動きが「頼んだぞ」と声を発したと直感した。

 パペルボンが再び、投球動作に入り、右腕をテークバックする。
 パペルボンの右手が伸びて、白球をリリース。

 バットに危険な内角高め
 コースはストライク
 やられた
 ここは空振りで逃げるわけにはいかない

 打ったからといって必ずバットが折れるわけではない筈だ。
 剛は一瞬のうちにバットを守ることより、スラッガーの本能に賭けた。
 ライト、ライナー

 カーンという音に、一瞬で鈍い音がかぶさった。

 バットを折る訓練の時に味わったあの衝撃が伝わった

 神の宿るバットはグリップの上8センチあまりで無残に二つに折れてしまっていた。
 絶対折ってはならない、神の宿るバットが折れてしまった。

 放心

 あまり勢いのないボールは一二塁間めがけて転がってゆく。
 イチローさんが早くも塁の中間地点までダッシュして何か怒鳴っている。
 剛は我に返り、急いで1塁に向け駆け出した。
 まだ、勝つ可能性がある
 自分がセーフなら、まだ可能性が、

 やや後方に位置していた2塁手ペドロイヤが猛ダッシュしてゴロに飛びつこうとしたが、運よくグラブの先端で弾いて、もたついている。
 剛は1塁ベース目がけ加速した。
 もうイチローさんは本塁を駆け抜けた頃だが、自分が1塁セーフにならなければおしまいだ。
 剛は滑り込むのではなく、アメフトの選手のように思い切り1塁にダイブした。
 2塁手ペドロイヤからの送球が1塁手バークマンのミットに収まる。
 万事休すと思われた、その瞬間、ミットから白球がこぼれた。
 剛のダイブを腰に受けて、1塁手バークマンが倒れたのだ。
 1塁塁審が両手をサーっと広げた。
 セーフ!
 日本ベンチから歓声が上がった。
 
 やったぞ、
 そう思って剛が立ち上がると、主審が駆け寄ってきた。
 何か怒鳴り、拳を振り下ろす。
 一転、アウト?!
 主審は剛に向かって何かまくしたてた。
 剛は首を横に振ったが、主審が剛の手を指したのを見て、意味がわかった。
 剛はショックのまま折れたバットのグリップを放すのも忘れたまま、1塁にダイブしていたのだ。実際にそれが1塁手に当たったわけではなかったが、その行為が凶器による守備妨害にあたると判定されたようだ。

 アメリカチーム全員が人差し指を突き上げ、雄叫びを上げてマウンドに集まった。
「USA、USA、USA、USA」
 USAコールが球場を満たしてゆく。
 
 その場に座り込んだ剛は折れたグリップだけを握りしめ、神の宿るバットを折ったショックに改めて見舞われていた。
 おしまいだ
 このバットが折れた瞬間から、俺は二軍行き決定だ。

 ○

 剛は神の宿るバットを失ったショックに、もはやインタビューに答える気力もなく、日本に帰った。
 そして真っ先に、日比野のおやじさんに謝るために、阿谷木温泉の土地を訪れた。
 おやじさんに、自分のためにもう一度神の宿るバットを作ってもらえたら。
 それが、今の剛に残された、かすかな希望だ。

 日比野の表札の玄関を開け、奥に声をかける。
「こんにちは、深沢です」
 するとおやじさんの妻のトキコさんが現れた。
「おめぇ様、よういらっしゃっただに」
「はい、ご無沙汰してました。
 ご主人は作業場ですか?」
「そへららせ、奥に上がりて下せえ」
 割烹着のトキコさんは居間の奥の小部屋に剛を通した。
 そこには灯篭が薄い明かりを灯台のように放ち、蓮の花が飾られ、剛が何事かと仏壇を覗くと、そこにある写真におやじさんが納まっていた。
「えっ」
 剛は心臓が止まりそうに感じた。
「十日ほど前、急に具合が悪くなりして、おえただに」
「そ、そんな」
 おやじさんの急死で、かすかな希望も完全に潰えた。
 
 剛はこたつでお茶を出されて、トキコさんからおやじさんの最期の様子を聞かされた。
「ほれ、このめぇ、テレビでおめぇ様が満塁本塁打打ちなさった日」
 満塁本塁打といえば韓国に勝って決勝ラウンド行きを決めた時だ。
「あのしょも喜んでなさったのが、トイレさ行った帰り、廊下で急に横になっての。
 おおげさなイビキかいて寝てしもうただに。
 こたつまで引っ張ろうとしても重うて動かんだに。
 困ってふとんばかけてしばらくおいたずら。
 夕方に登志男が顔出して、こりゃ救急車呼べやって、大騒ぎしただ。
 病院の中でそんまま眠ったまま、おえただに」
 トキコさんは野沢菜を箸でつまみながら、ふと思い出したようだ。
「そう言えばよ、おめぇ様に手紙ば書いてあっただに。
 わしになんかあったれば、渡すがよからずと言うてたずら」

 トキコさんは居間の茶箪笥の引き出しから封筒を取り出すと、剛に渡した。
 剛は封を切ると、おやじさんが鉛筆で書いた手紙を読み出した。


 拝啓 

 深沢殿

 今までバットば作っても名の知れなかったわしが、近頃は、お前様の活躍のおかげで、鼻高々で過ごせて、幸せの限りだ。
 まっこと感謝してるだ。

 さて、お前様に謝らんにゃならんことがひとつあるだに。
 他でもない、神の宿るバットのことだて。
 ありゃあ、わし、大嘘こいただ。
 出来上がったバットの中で一番見ばえ良いのば、きれいさ磨いて神棚さ飾っといただけずら。

 お前様、自分で思った通りに飛ぶ、まさしく神の宿るバットじゃ言いなさったが、
 それはお前様がおっぼしょる練習ば通して、神のごときバット操縦をば掴んだからに違いねぇとわしは思うず。
 つまるどこ、あれに神は宿らんが、お前様の手が神に近づいただ。

 しかし、いかに気をつけても、いつかは折れることもあろうず。
 その時のために、仏間の押入れの中に桐の箱があるず。その中に10本ばかり同じバットが取ってあるだ。無料サービスしとくだに、また使ってくれればええずら。
 
                                      日比野 一往


 手紙を読み終えた剛は「おやっ、さん」と呼びかけた。

 いいや、確かにおやじさんの作ったバットには神が宿っていたんだ。
 それが俺に力を与えてくれていたんだよ。

 剛は、心の中でそう返しながら、堰を切ったように溢れ出る涙を止められなかった。    了
 




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 f_02.gif プログ村

 奇跡のバットの形状は、野球実経験を小学生で終えている筆者の妄想の産物であり、現実性、実用性についてはわかりません。
 バット職人、日比野老人の地域設定は長野県南部ですが、方言がかなり多彩のようです。実際との方言の相違については雰囲気ということで。
 特に、方言翻訳で変換された「そへららせ~」てフレーズが気に入って使いましたが、長野では舌のことを「へら」と呼ぶようです。
 「そしたら」 = 「そ+へら+ら」 と音を機械的にあてているのかもしれない、実在する言葉かは不明です


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コメント

剛ーーー!
マジ読みのうえ、マジ応援しちゃいました。
嘘から出た奇跡、なんとなく結末を予想しつつも、日比野老人の奇跡に、最後はウルウルしてしまいました。
WBCも終わったのに、いい夢見せてもらったなぁ。
もう、すっっっごく、面白かったです!!
長野なまりも雰囲気があって良かったです。

でもグリップエンドを長くしたバットっていいかもしれませんね。
実用化したら本当に打てそう(^○^)

  • 2009/04/01(水) 21:34:59 |
  • URL |
  • ia. #-
  • [編集]

やっぱ,流石やね。
なんど書いてもかきたらない。文章がうまい。
ひきこまれる。
おいらが目指す文章とは少し違うとこもあるんだけど。
おいらの知ってる物書きの中で、文章は一番うまい気がする。(個人的な意見です)
しっかりしてるんですよね。
なんか、あぁ、これがプロかっていいたくなるような文章。
ほんま、うまいと感じる。

あ、オチはわかってたけど、最後は泣きそうになりました。
銀河マジックですね。マジック点灯ですよ。
面白かったです。

あー、ほんま読みやすいいいい。

そうそう、銀河さんのコメントをあちこちで読んでたんですけど。おもしろさ、鋭さが抜群だw
昔より冴えわたっていませんか?
やっぱ、銀河さんは面白い人だ!

  • 2009/04/01(水) 22:01:17 |
  • URL |
  • 見習猫シンΨ #ap6q.jK2
  • [編集]

企画に参加してくださってありがとう!
ついつい読んでしまうんですよねえ。
丁寧に書かれているから、奇跡のバットが、奇跡なんかじゃないって刷り込まれていくんだけど、それでもラストが読みたくなる。
あと、お金の話がでてくると、ふつうは欲っぽくなるのに、主人公のせいかな、そういうのを感じませんでした。登場人物もみんな良かった。
それと、アウェイの中で戦う緊張感。びしびし伝わってきました。こういう雰囲気、好きだー。やっぱ、男は戦ってナンボでしょ。
とにかく、良かったわー!

  • 2009/04/02(木) 00:13:32 |
  • URL |
  • つる #-
  • [編集]

◆ia.様 ありがとうございます。

わ、もう剛ファンがいたのか^^ 自分の作った主人公にファンがいるなんて、幸せだに~。
WBC、9回追いつかれた時、脳内はこの話に逃避しました、イチローが叫んで剛が打つシーンのあたりで、実際にイチローが打ってくれてた(笑)

バット、もしかしてイケる?大変だ~w

◆見習い猫シンΨ様 ありがとうございます。

またまた、シンさんはいつも褒めすぎっ。でも嬉しいっす。
種を明かすと、シンさんちに出入りしてるニャンコに催眠術かけさせてるせいだに。

◆つる様 いつもありがとうございます。

今回は奇襲作戦で参加させてもらいました。やっぱ男は信長でしょ(笑)
お褒めいただいて嬉しいです!
WBCは興奮して、楽しかった。その勢いで書いてしまいました。普通の試合は見ないんだけど、強い日本代表には心が躍りますね!

  • 2009/04/02(木) 01:16:51 |
  • URL |
  • 銀河系一朗 #7VZ5bVfM
  • [編集]

ムムム、これは良い作品!
いつもながら文章が洗練されてますね。
ストレートなラストだったけど良かったです。
俺だと確実にギャグにもっていってしまうなーとか思いながら読みました。
関係ないけど、方言の、~ずら。は山梨のイトコも使ってたんでちょっと懐かしかったです。

  • 2009/04/02(木) 02:59:11 |
  • URL |
  • 火群 #WzzJX4NY
  • [編集]

男というより、漢の物語ですね!
終盤、バットが折れた瞬間、深沢選手の放心が伝わってきましたよ。
お前様の手が神に近付いた、は素敵な言葉ですね。

あ。WBC、昼休みに職場のテレビにかじりついて見てましたよー。
イチローのバントが記憶に残ってます。打順回ったなと思ったら、あっという間でしたから。

  • 2009/04/02(木) 09:30:03 |
  • URL |
  • 鈴藤 由愛 #-
  • [編集]

◆火群様 ありがとうございます。

ストレートしか球種がなさそうであります(笑)
長野の南部なので、「ずら」はおそらく山梨からの影響でしょうね。さらに静岡までさかのぼれそうです。

◆鈴藤 由愛様 ありがとうございます。

伝わりましたか、嬉しいです。
あ、イチローのセーフティバントのシーンかな。
イチローって、記録前に足踏みするように、案外プレッシャー弱いところがあって親近感わきますね(笑)

  • 2009/04/02(木) 23:15:09 |
  • URL |
  • 銀河系一朗 #7VZ5bVfM
  • [編集]

WBC、センバツ、プロ野球の開幕と野球ネタが続く季節に相応しいお話ですね。
実際のWBCもアメリカと決勝なら一番盛り上がったのに。

  • 2009/04/02(木) 23:55:32 |
  • URL |
  • 鯨 #Xysd5fB2
  • [編集]

◆鯨様 ありがとうございます。

そこですね、アメリカではWBCは関心低いらしいですね。でも決勝に出てくれば盛り上がるだろうな。

  • 2009/04/04(土) 00:29:41 |
  • URL |
  • 銀河系一朗 #7VZ5bVfM
  • [編集]

野球サイコーd(⌒ー⌒)b
いやぁ、いいですよね、野球って。
試合の分だけ、選手の分だけドラマがある。
試合の描写でも、一球一打に懸ける選手たちの緊張感が伝わってきました。

深沢は勝手に中田(日ハム)のイメージで読んじゃいました(笑)
ところどころに実名選手が登場するのが心憎いですね( ̄ー ̄)

あ、ちなみに水を差すようで恐縮ですが・・・
どうしても気になったことがひとつ。

決勝の最終回、2アウト1,3塁の場面で青木がゴロを打ったとき、
1塁に投げればゲームセットなわけだし、
3塁走者のイチローを牽制する意味はなかったのではないでしょうか・・・。

ともあれ夢のある嘘とストーリーで楽しかったです!

  • 2009/04/04(土) 21:12:58 |
  • URL |
  • shitsuma #-
  • [編集]

◆shitsuma様 ありがとうございます。

9回表に杉内と書いてありますが、これはじーっとよく睨むと藤川と見える筈です。そーです、リアルもダルじゃなく藤川なら9回で日本は勝ってた筈!

ご指摘感謝です。いやー、試合は自由に書けるから簡単だと思ってたら、打順のまわりやアウトカウントの始末が骨折りですね。

  • 2009/04/05(日) 00:57:27 |
  • URL |
  • 銀河系一朗 #7VZ5bVfM
  • [編集]

うわ! 長っ! って最初の印象のわりに、あっという間に読み終えてしまいました。
引き込む技術は、銀河さんの神の腕ですね。w

野球ネタは、実名を出すと想像しやすい点で読みやすさが生まれる反面、キャラが固定されているから話の中で動かしにくい欠点がありますよね。そこを感じさせない試合の実況(?)を、無呼吸で読まされてしまいましたwww

藤川には調子面での不安説が流れていましたから、あの場面でのダルは私には納得できましたね。延長に入ってしまったときには「えええ!?」って感じでしたが。

  • 2009/04/11(土) 15:33:26 |
  • URL |
  • たろすけ(すけピン) #rFJbKIhU
  • [編集]

Re: タイトルなし

◆たろすけ(すけピン)様 ありがとうございます。
長くてどうもすみませんでした(^^;
なんだか、さっさと書けてしまって、久々に書くのが面白かったです。

> 藤川には調子面での不安説
そういう報道はあったけど、監督の勘が藤川のガッツポーズを避けたと推理するのが面白かったり。3番なんかにされてイチローも胃潰瘍になったわけだし。監督は悪気はないけどかき乱すタイプか。でも、最後の運はいいんだw

  • 2009/04/13(月) 01:28:57 |
  • URL |
  • gingak #-
  • [編集]

どうも、孫琳です。
コメント遅くなりまして、申し訳ございません。

物凄い力の入りよう。
銀河さんの野球への愛があふれてますね。

それはともかく、おもしろかったぁ!
長かったのに、長さを感じさせない、見事な文章でした!

  • 2009/04/21(火) 19:44:30 |
  • URL |
  • 孫琳 #-
  • [編集]

◆孫琳様 ありがとうございます。

ええ、WBCと同時進行で書いてて、つい悪乗りしてしまいましたw
楽しんでいただいてよかったです!

  • 2009/04/22(水) 18:25:19 |
  • URL |
  • 銀河系一朗 #7VZ5bVfM
  • [編集]

いやー面白かった!
こんな良作をタダで読ませていただいて、俺めっちゃ幸せな気分です(笑)
野球モノってだけで、日本男児の血が騒ぐものですが、この作品ではキャラの魅力も構成の妙も相まって、一流の読み物に仕上がっていると思います。
あー俺もこんなお話が書きたいですわ。いい刺激をいただきました。ありがとうございます!

  • 2009/05/23(土) 00:07:12 |
  • URL |
  • レイバック #-
  • [編集]

◆レイバック様 ありがとうございます。

書いてる時にレイバックさんならきっと楽しんでくれるんじゃないかと思ってたので、そう言っていただけて嬉しいです!
くどいですが、9回ピッチャーは藤川の誤植ですよ(^^;

  • 2009/05/25(月) 09:50:08 |
  • URL |
  • 銀河系一朗 #7VZ5bVfM
  • [編集]
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  • 銀河 径一郎
    (ケイイチロー・ギンガ)
    好きな言葉は『信じる』。
    『地球人も宇宙人』。
    写真はッシェル・ポルナ
    レフの真似です

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