《いいなあ、そんな素敵なクラスで。
俺もこころちゃんのクラスに編入しようかな(笑)》
《だめです、うち、女子高だもん(笑)
それとも女装してきますか?》
《うん、女装していこっかな(笑)
可愛いコとかいるの?》
一瞬、血が逆流した。
冗談てわかってるけど、好きになると、友達ならなんでもないセリフに嫉妬しちゃうんだな。
《き、きらいだよ、そんなこと聞くなんて(シクシク)》
メールを送ると、ヒロキさんもすぐにあやまる。
《ごめんな。ちょっと冗談がすぎたよ、許して。
ちょっと初めてケンカしてみました(笑)
機嫌直してな、俺にはこころちゃんしか見えないんだからさ。
本当にいい仲間に囲まれてこころちゃんは幸せものだな》
《そうですね、病気はつらいけど。
ヒロキさんや、サトミや、カオリや、素敵なクラスメート、それに両親によくしてもらえて、かなり幸せなのかも》
《そうだよ。
後は早いとこ病気をやっつけて、海辺でデートを実現しような!》
《はい、ヒロキさん、大好きです!》
《サンキュ、俺もこころちゃんをずっと愛してゆくよ!》
私は、胸がカーと熱くなるのを感じて、携帯を胸にあてた。
1週間はあっという間にすぎて、私は再び入院した。
もちろん、自分とクラスメートで作った【絆】の千羽鶴を持って。
佐藤先生には、いきなり廊下で会った。
言われる前に、握り拳を出して、言ってやる。
「サー!」
「やられた、浮気しないで来てくれたか、また頑張ろうな」
「先生も可哀想だね、ずっとこんなとこで仕事して」
「今度、こころちゃんの学校に息抜きに行ってみよっかな?」
「ふふんだ、可愛いコいるのとか聞くんでしょ?」
「へー、よく俺の考えてたセリフ、わかったな」
「男なんて、みんな一緒だもん」
「何か、彼に言われたのか?」
佐藤先生の突っ込みに、私は思わず反論した。
「わ、私の彼はそんな気持ちはないの、ただの冗談だよ、絶対に」
佐藤先生、笑いながら指で私を差した。
「なんだ、こころちゃん、彼氏いたのか?
うっかりばれちゃったな」
私は慌てて口を両手で押さえたが、
「あ、いけないっ!
先生、彼のこと、親とかに絶対、秘密にしてよ」
「うん、心配すんな、患者の秘密を守るのは俺の仕事だから」
佐藤先生は指で口にチャックするゼスチャアをして見せた
「ところで、今度、お母さんかお父さんが来たら、こころちゃんと一緒に、
今後の治療計画について話したいから、家の人に言っておいてくれるかい?」
「あ、はい、わかりました」
そこへ看護士のリカさんがこころの後ろから歩いてきて声をかけた。
「こころちゃん、久しぶりね。
さっき、先生がチャックのしぐさしてたけど、秘密の約束?」
「そう、ゼッタイ秘密だよ、先生、ばらしたら許さないんだから」
「だって、先生、大変だあ」
リカさんが言うと、佐藤先生は「参ったなあ」と逃げるように部屋に入った。
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