銀河径一郎 小説、物語の部屋

銀河径一郎による不思議な物語、怖い話、面白い小説、ファンタジーなど。

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いよいよ明日から放射線と強力な抗がん剤投与が始まり、クリーンルームでの生活になる。

そう思うと落ち着かなくて、深夜0時をまわっても眠れない。


《ヒロキさん、こんばんは。

遅い時間にごめんなさい。

明日からは今までで一番きつい治療をするので、なんか寝付けなくて困ってます》


すると、ヒロキさんからすぐにメールが来た。


《こんばんは。

明日から大変なんだね。

僕も応援してるから、くじけないでガンバロ、ファイト!》


ヒロキさんのメールにいつものように励まされたが、しかし、不安ばかりが思い浮かんで眠れそうにない。

ベッドから抜け出して、ナースステーションを覗くとリカさんがいた。


「リカさん」

「あ、こころちゃん、入っておいで」

リカさんに手招きされて、リカさんの向かいの席に座った。


「明日からクリーンルームだったね」


「うん、いよいよ白血病と決戦だよ」

私は強がって笑いをつくって見せた。

だけど、本当は頭の中で不安と恐怖がぐるぐる渦巻いている。


リカさんはうなづいて「そう、頼もしいね」


でも、リカさんの笑顔を見ているうちに、私の目からは涙がどんどん溢れてきた。


「ごめんなさい」


リカさんは立ち上がってハンカチを出して私の涙を拭ってくれた。


「大丈夫だよ、泣きたい時は泣いていいんだよ。

こころちゃんがあやまる理由なんてどこにもないんだよ」


私はうなづいたが、何も言えなくて、リカさんに抱きついて泣いた。

リカさんはやさしく私の肩を叩いてくれた。


「私が移植受けても、うまくいかない確率は半分近いでしょ。

そしたら、その後、私、死ぬかもね。

そしたら、痛い思いして骨髄をくれるお父さんにも申し訳ないよ」


リカさんは私の肩を強く揺さぶりながら言った。

「こころちゃん、確率なんてもっと悪くたって関係ないんだよ。

だって、こころちゃんは治るんだから。

治って、学校に戻って、彼氏とデートするんでしょ」


「……うん」


「そう、わかってれば大丈夫。

涙で不安を洗い流したら、悪い想像はおしまいだよ。

部屋に戻ったら、病気が治って、友達や彼氏と笑って楽しく話してる場面をイメージしながら眠ってごらん」


私は涙を拭って、今度は自然と笑顔になった。

「ありがと、リカさん。

なんだか勇気が湧いてきたよ」


私はリカさんに礼を言い、しばらく雑談して部屋に帰った。


(つづく)



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gingak
  • Author: gingak
  • 銀河 径一郎
    (ケイイチロー・ギンガ)
    好きな言葉は『信じる』。
    『地球人も宇宙人』。
    写真はッシェル・ポルナ
    レフの真似です

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