銀河径一郎 小説、物語の部屋

銀河径一郎による不思議な物語、怖い話、面白い小説、ファンタジーなど。

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病室で点滴されていると、佐藤先生がやってきた。

「よお、ご苦労さま。

この間のHLA型検査の結果が出たよ」


「どうなんですか?」


私が聞くと、佐藤先生は握り拳を上げた。

「見事、一座違いだよ、

親から移植なら心理的な安心感もあるし、よかったな?」


「ほんとに、やったあ!

早速、お母さんに知らせなきゃ」


私は携帯を取り出した。


「あ、ちょっと、一座違いだったのはお父さんだよ」


「そ、そうか、えへへ、お父さんでもいいんですよね?」


「当たり前だろ。

こころちゃんはお父さんの血液に入れ替えて血液型もお父さんの型になるんだよ」


「えー、私はA型なのに、骨髄移植するとお父さんのO型になるの?」


「そう。厳密に言うと頭の内側の血液型は元のままだけど、血管を流れる血はO型になるんだよ」


「そうなんだ。

でも、それで助かるんだから文句言えないですよね。


あ、あれ、ちょっと待って!


血液型占いはどうなるんですか?」


私の素朴な質問に、佐藤先生は笑い声を上げた。

「その質問、よくされるんだけど、

俺の専門外でそこまで手が回らないから、自分で研究してみなよ」


「そうなんですか、わかりました」


「それで、骨髄移植の日程は三、四ヶ月先だな。


その前にこころちゃんは卵子の凍結保存しなきゃならない。

もちろん退院時期や外出の調整はしてあげるけど、いろいろ忙しいぞ」


「そうでした、よろしくお願いします」


「とにかく、お父さんが一座違いでラッキーだったな。

普通、親でもかなり違う方が多いんだぞ」


こころはこんな病気になってしまった自分にも、まだ運があるのだと信じた。



佐藤先生が帰って、点滴が終わった後、私はお母さんに電話した。


「あのね、この前の検査の結果が出たの。


お父さんが一座違いだったんだって!」


「そう、そうなの。

よかったわ」


「お父さんが、マルクの時の注射の親玉みたいなやつに耐えられるか心配だな」


「大丈夫、こころのためなら、お父さん、どんな痛くたって耐えるわよ。

二人でそう話してたのよ。」


私はじーんときた。


「うん、ちょっとカッコイイね。ありがとう。


あとね、お父さんの血液に入れ替わるから血液型もO型になるらしいの」


「そうなの。こころも、イカの塩辛とか好物になるのかしらね」

「えー、やだあ、そういうのが伝染したらちょっとやだ」

こころは明るく笑った。


(つづく)



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gingak
  • Author: gingak
  • 銀河 径一郎
    (ケイイチロー・ギンガ)
    好きな言葉は『信じる』。
    『地球人も宇宙人』。
    写真はッシェル・ポルナ
    レフの真似です

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