銀河径一郎 小説、物語の部屋

銀河径一郎による不思議な物語、怖い話、面白い小説、ファンタジーなど。

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翌日、昼すぎに、ヒロキさんからメールが来た。


《おはよう、体調はどんなだい?

副作用、ひどいのかな?


僕の方は治ったともいえないけど、まあまあかな。

てことで、さっき、退院しちゃったよー!ヤッホー!》


私はびっくりした。

昨日のメールには、そんなそぶりも書いてなかったのに。


《えっ、もう退院できたんですか?


いいなあ、うらやましいよぉ~!》


《ごめんな、見せつけたりして。

でも、僕も、何年も前から入退院を繰り返してきたから、トータル入院日数はこころちゃんよりずっと上だよ!

こころちゃんは次の退院はいつ頃?》


《たぶん、まだ三週間ぐらい先ですね》


《そうか、今度は会いたいね!

愛してるよ!》


《はい、私も愛してます!

私たち、きっと会えますよね!》


私はポーッとしながら携帯を閉じた。


すると隣のベッドにいる小学1年生の遥香ちゃんという女の子の視線を感じた。

遥香ちゃんはすごく人見知りするので、あまり話ができない。


「遥香ちゃん、病院の中、お散歩に行こうか?」

「……」

遥香ちゃんは黙って首を横に振る。


「じゃあ、お姉さん、一人で行ってくるね」


私はスリッパを履いて、廊下に出た。


今日は天気もいいし、明るい廊下を歩いているだけで気分がいい。

もちろん、ヒロキさんが退院できたことも、今日の私の幸せだ。


私は中庭を眺めようと考え、外来棟と入院B棟をつなぐ廊下に出た。

ラッキーなことに一番眺めのいい真ん中のベンチが空いている。


ベンチに腰かけて、中庭の高い木やピンクっぽい花木を眺めているだけで、きれいな空気を吸ってるような錯覚がしてくる。


ふと、横に何か動く気配がして、見ると、ずっと前にも見た車椅子の男性だった。



「こんにちは、今日は気持ちいい天気ですね」

彼が話しかけてきたので、私も相づちを打った。

「ええ、ほんとにお陽さまが気持ちいいです」


歳は20歳前半ぐらいで、ヒロキさんの中学生の時の写真と少し似てるかもしれない。

もっとも、前回、彼がすぐそばにいる最中に、ヒロキさんからいくつも海辺の写真のメールが届いていたから、この人がヒロキさんのはずはないのだ。

だけど、私は、この人がヒロキさんだったらと想像して、ドキドキした。



(つづく)

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gingak
  • Author: gingak
  • 銀河 径一郎
    (ケイイチロー・ギンガ)
    好きな言葉は『信じる』。
    『地球人も宇宙人』。
    写真はッシェル・ポルナ
    レフの真似です

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