銀河径一郎 小説、物語の部屋

銀河径一郎による不思議な物語、怖い話、面白い小説、ファンタジーなど。

こころは母と一緒に佐藤先生に向き合った。

この形は緊張する。


「第二段階の地固め療法に入るにあたり、今後の治療について話しておきます。

第一段階の治療で、こころちゃんは寛解(かんかい)という状態になりました」


「でもこれから第二段階なんですよね」

母が言うと、佐藤先生はうなづいて続ける。


「完全寛解と呼ぶ先生もいるんですが、実際にはまだ悪玉が残っています。

なので、誤解されないように僕はただの寛解と呼んでいます。


この残りの悪玉をやっつけ、二度と再発しないように健康な体質に戻すのが第二段階の目的なんです。

しかし、強い薬を使うため健康な細胞もダメージを受けるので、全部を一気にやつける量の薬を投与はできません。

そこで今回は6回前後に分けて治療を実施します」


「どれぐらいの期間になるんでしょうか?」


「そうですね、相手は病気ですから、予定通りにいかないこともありますが、

治療期間と退院期間で1回が1ヶ月ぐらい、それを6回前後と考えてください」


私は溜め息を吐いてつぶやく。

「そんなにかかるんだ?」


「うん、ごめんな」

佐藤先生はそう言って、母とこころに同時に説明する。


「それから、言いにくいんですが、薬だけでの治療だと成績があまりよくないんです」


私は、ぞっとした。


先生の言う成績は治る成績のことだ。

つまり、成績がよくないって、助からないってことだよね。


「その成績はどのくらいなんですか?」


「薬だけですと、4、5人に1人が治癒しています」


「……」

母と私は黙り込んだ。


「今のは薬だけの場合です。

そこで、前回、ちらっと言いましたが、骨髄移植を考えた方がいいかもしれません。


健康な方の骨髄を注入する方法です。

これだとドナーが見つかれば、2人に1人が治癒します。


よくドナーは何万分の一とか大げさに言われるんですが、あれは世界の平均です。

日本人同士は型が近いので確率はずっと高いですし、完全一致でなくても移植は可能なんです。


仮に1回目が失敗しても、2回目で成功する方もいます」


「じゃあ大丈夫ですね?」


佐藤先生はうなづいた。

「絶対という約束は神様しかできませんが、

私はこころちゃんを健康に戻すためにありとあらゆる力を尽くします。

それはお約束します。


ただ、骨髄移植は薬だけよりさらに辛い治療になってしまうんです」


「どんな治療なんですか?」


「放射線をあてて、全ての骨髄細胞をゼロにします。

それから健康な骨髄の移植を行います。

ですから、再発の危険は抑えられるんですが、

ここに非常に問題がありまして、」

いつになく言い方がまわりくどい、嫌な予感。



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gingak
  • Author: gingak
  • 銀河 径一郎
    (ケイイチロー・ギンガ)
    好きな言葉は『信じる』。
    飛べなくても頭が悪くても
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