銀河径一郎 小説、物語の部屋

銀河径一郎による不思議な物語、怖い話、面白い小説、ファンタジーなど。

級長の藤崎麻理が立って教壇に上がった。


「では、皆さん、私たちの【絆】を提出してください」


級長の藤崎がそう言うと、クラスメートたちはそれぞれカバンから机の中から、ひもに通した折鶴を取り出した。

そして立ち上がっては、前に進み出て、こころに口々に声をかけて、教壇に折鶴を積み上げてゆく。

「こころさん、頑張ってね」「ありがと」

「応援してるからね」「ありがと」

「またメールしてね」「うん」

「早く元気になってね」「ありがと」


そして折鶴を持ったサトミがこころの前にやってきて笑った。


「ごめん、内緒にしてて。


でも内緒にしないとサプライズにならないからさ」


「うん、いつもありがと」


こころはうなづいて鼻をすすった。


こころの見ている前で、級長の藤崎が折鶴のひもをまとめて千羽鶴にしてゆく。


こころは感激で目が潤んで、ぽろりぽろりと涙が頬から落ちた。


級長が千羽鶴と折り紙をこころに渡して言った。


「川津辺さん、早く完全に元気になってね。


でも、まだこれ、千羽には三十三羽足りないの。


最初、残りの三十三羽もみんなで折ろうという意見も出たんだけど、


川津辺さんにもクラスの一人として折ってもらって、


みんなのとひとつに、【絆】の千羽鶴にした方が絶対に素敵な思い出になるよって話になったの。


だから続きをお願いしていいよね?」



「もちろん。みんな、ありがとう。


こんな素敵な千羽鶴、貰えるなんて、私は最高に幸せだよ」


長谷寺先生が拍手すると、クラスのみんなも拍手した。


長谷寺先生が言う。


「金八先生的に言うと、これはクラスがひとつになった最初の作業ね。


川津辺さんは大変な辛い思いをしただろうけど、


それでクラスみんなが川津辺さんを応援することでひとつになれた。


だから私は川津辺さんに感謝したい。


川津辺さん、ありがとう」


こころは驚いて手を払うように振った。


迷惑かけてると思ったのに、感謝されるなんて。


「みんな、川津辺さんは授業出れないこと多いから、

これからも助けてあげてね、いいわね?」

「はい」


みんなの声が響き、こころは幸せな気分で自分の席に着いた。


「もう授業の時間に入ってるわね、

急いで教科書を出して、32ページ」


こころはふと窓から校庭を眺めて、光がきらきらしてきれいだなと思った。

そしてクラスを見回して、素敵だなと思った。

こんな素敵なクラスでみんなと一緒にいれる。

それだけでも幸せを感じるこころだった。



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gingak
  • Author: gingak
  • 銀河 径一郎
    (ケイイチロー・ギンガ)
    好きな言葉は『信じる』。
    飛べなくても頭が悪くても
    地球人も宇宙人だ(笑)

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