銀河径一郎 小説、物語の部屋

銀河径一郎による不思議な物語、怖い話、面白い小説、ファンタジーなど。

3週間ぶりぐらいに家に帰ったが、翌日は学校には行かなかった。

教室で毛糸の帽子というのも目立つとお母さんに言われ、一緒にデパートにかつらを買いに行ったのだ。

でも、おばさん用みたいな感じが多くて、かなり妥協した。


デパートから出て、レストランに入った。

「お父さんからご馳走してやれって言われたから、好きなの注文しなさい」

「じゃあ、ハンバーグカレー!」

「え、そんなの?家でも食べられるじゃない、他のにしたら?」

お母さんに思い切り笑われた。

(だってヒロキさんも好きなんだよ)

心の中でつぶやいただけで顔が火照った。

「いいの、食べたいんだから。

病院の食事に比べたらなんでもご馳走よ」


帰りの電車の中でヒロキさんに報告した。

《こんにちは、こころです。

今日はお母さんと買い物に出かけました。

ハンバーグカレーを食べて、美味しかったよ!》


《そうなんだ。ハンバーグカレー食べたいなあ。

買い物って何を買ったの?》


わ、ちょっと言えないよ。


《えへへ、女の子の秘密なもの。

病院は退屈ですか?》


《うん、ちょっと退屈だな。

でもこころちゃんのおすすめの、漫才のDVD買って大正解。

楽しめるよ。ありがとう》


《私、ヒロキさんのお見舞いに行きたいです!

病院の名前と場所を教えてください》


《この前、僕がそう言ったら、こころちゃん、なんて答えた?

入院してる姿で初対面はイヤだって、断ったじゃない。

あの時のこころちゃんの気持ち、今、とてもよくわかるよ》


そこで電車が自宅の駅に到着した。


「お母さん、私、この席でもう少しメールしてく」

「大丈夫なの?」

「大丈夫だよ、私は今、普通の人より免疫多いんだよ」

「しょうのない子ね、早く帰って来るのよ」


お母さんが降りると、発車ベルが響いた。

私はヒロキさんへのメールを続けた。


《そうでしたね……。

じゃあ、二人揃って退院まで、会うのはお預けですね》


《そうだな。ちょっと寂しいけど。

でも僕たちは互いの心はわかっている。

なんでも、メールでいつでも確かめられる。

これってたぶん、すごく幸せなことだよ》


《はあい、かなり寂しいけど、はあいです。

あ、それで、オススメの入院テーマソング「愛は勝つ」は聴いてますか?》


《元気のない、はあいだな(笑)

うん、「愛は勝つ」ね、聴いてるよ。

元気が出る曲だよね》


《よかった。ちょっと気になってたから安心した!》

こころは送信して微笑んだ。



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gingak
  • Author: gingak
  • 銀河 径一郎
    (ケイイチロー・ギンガ)
    好きな言葉は『信じる』。
    飛べなくても頭が悪くても
    地球人も宇宙人だ(笑)

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