銀河径一郎 小説、物語の部屋

銀河径一郎による不思議な物語、怖い話、面白い小説、ファンタジーなど。

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
このページのトップへ
月曜日。

昼前に、例によって白い忍者風の姿で佐藤先生がやってきた。

「どうだ、土日はおとなしくしてたか?」

「そうするしかないでしょ」

私の口をまげて言う。

「なんだ、そうふてくされるなよ」

佐藤先生が嬉しそうな声で言う。

「白血球上がったから、クリーンルームは卒業だ、おめでとう!」


「えっ?卒業?」


「そう、もっと喜べ!」


「やったー、サー!」

私は笑いながらガッツポーズをして見せた。

「おお、それが見たかったぞ、本場のガッツポーズ」

「あはは、それじゃあ外出してもいいの?」


聞くと、いきなり佐藤先生、口調のテンションが下がった。


「外出はまだだめ、もう少し数字が安定してからだよ」


「そうか……」

「とにかく、もう出てっていいぞ」

「え、本当?」

私は半信半疑で聞き返すが、看護士さんも既に透明のビニールカーテンを開けにかかっている。

「ありがと、先生」

「サー!」

今度は佐藤先生のガッツポーズ。

私は看護士さんと一緒に大笑いした。


私はいそいそと身の回りのタオルや替えのパジャマや下着を袋に詰め込んで部屋を出る支度をした。


そして元の病室に戻って、翔子ちゃんに挨拶すると抱きつかれた。

「よかったあ、また一緒で」

「大げさだね」

「だって入退院多いから、クリーンルームから戻ると部屋が違ったりするんだよ」

「あ、そうなんだ、てっきり一度入ったら自分の部屋かと思ってた」

「だめな後輩、今、私が窓際なんだ、お姉ちゃんは今度真ん中のベッドだよ」

「はあい、先輩」


こころは親やサトミ、カオリにクリーンルーム卒業をメールした。

そして、もちろんヒロキさんにも。


《ヒロキさん、クリーンルームを卒業しましたよ!》


《お、こころちゃん、よかったね!》

《けど外出、外泊はだめで、へこんでます》


《とりあえず前進したんだから、いいんだよ》

《そうですよね、ありがとう!》


《あとでまたメールするね》

こころはわくわくして待った。



 f_02.gif プログ村

 
5海辺のデート 10 へ

 
メルコイ 目次へ 


  ホーム トップへ
スポンサーサイト
このページのトップへ

FC2Ad

Information

gingak
  • Author: gingak
  • 銀河 径一郎
    (ケイイチロー・ギンガ)
    好きな言葉は『信じる』。
    『地球人も宇宙人』。
    写真はッシェル・ポルナ
    レフの真似です

    ↓よろしければ、おひとつ、ポチお願いします

Calendar

10月 « 2017年11月 » 12月
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -

 

新着はこちら!New!

全小説 ツリーリスト

最近いただいたコメントなど

アクセスカウンター

リンク

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

twitter小説

月別アーカイブ

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索

RSSフィード

最近のトラックバック

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。