《今日は午前からルンバをしました。
前回痛くて弱音を吐いた検査のパワーアップ版?みたいな。
でも今回は頑張って耐えましたよ!
えらいでしょ?
これからも、私は、辛くても、頑張ります!
ヒロキさんがついていてくれるから、絶対、頑張るょ!!!》
食事を終えて、点滴を打たれながらリカさんに聞く。
「リカさん、いくつなの?」
「24歳だよ」
「彼氏はいるの?」
「今ね、ちょうど切らしてるの」
こころは笑った。
「切らしてるって、母さんも調味料でよく言うよ」
「そう、近いかもね」
リカさんも笑う。
「リカさんの趣味って何?」
「うん、車でドライブすることかな。
海岸線とかね、バーと飛ばすと気分いいよ」
「へえ、海をドライブか。
私も免許取りたいな」
「きっと取れるよ。
そのためにもまず、病気治して、学校卒業しないとね」
「うん、頑張る」
リカさんと笑顔でうなづきあった。
点滴をされたままうとうとしてると、携帯がブルッて起こされた。
こころは慌ててメールを開いた。
《嬉しいな、
えらいよ、こころさん!
こころさんが頑張ってると思うと、僕も元気が溢れてくるよ!
元気をありがとう!
じゃあまた、ガンバレよ!》
ヒロキさんのメールに、私は声を出して「うん、頑張る」と答えてしまい、自分で笑った。
夕方、思いがけず、サトミとカオリが制服のまま、お見舞いに来てくれた。
「なんだ、来てくれたの!」
「なんだじゃないわよ。
カオリが寂しがって泣いてるに違いないって言うから来てやったのに、
ありがたみのない言い方ね」
サトミが元気につっかかってくるのが嬉しい。
「ごめん、でも今朝のメール、素っ気なかったから」
「お見舞い行くね、なんて言うとサプライズがないでしょ」
「うん、ありがとう」
喜ぶこころにサトミはキャンディーの箱を、カオリはコミックを差し出す。
「カオリがね、入院中はこういうのが嬉しいんだって言うからさ」
「うん、嬉しい、退屈してきたところなんだ。
カオリ、さすが病気の先輩ね、ありがとう」
「喜んでくれてよかったわ」
「で、どういう病気なの?」
正直に話してもよかったけど、話すことで過剰に心配されるのも困る。
「うん、お医者さんじゃないからうまく説明できないけど、
血液とか、リンパとかのバランスが崩れる病気。
だからニ、三週間入院なんだって」
「ふうん、ニ、三週間か、大変だね」とサトミ。
「じゃあ、私がノート貸してあげるよ」とカオリ。
「うん、じゃあ借りちゃおうかな」
二人とは、看護士のアカネさんが来るまで、三十分くらい話した。
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