銀河径一郎 小説、物語の部屋

銀河径一郎による不思議な物語、怖い話、面白い小説、ファンタジーなど。

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 1ドア

 電車の中で書いたメールを、ヒロキさんの最寄り駅の手前で発信した。

《こころです!

 今日は病院で診察を受けてきました。

 とっても順調だって言われちゃった。

 発病からもうすぐ1年半だけど、普通の生活に戻れるかも。

 で、これから私がどこへ行くと思う?

 へへェ、じゃあーん、


 ヒロキさんのお家だよ~!!!

 もうすぐ桜上水駅、びっくりした?

 でも、慌てないでいいよ、具合悪かったらちょっと顔見て、お礼言うだけで帰るから

 私がこんなに元気になれたのも、ヒロキさんが励ましてくれたおかげですw

 勿論、家族や友達の応援も嬉しかったけどさ、

 やっぱり病気と闘っている仲間のヒロキさんの励ましは、こころの心に響いたんですよ。

 それに、それに……、

 ま、後は会ってから言います、そりでは》

 駅を出たこころは、高速道路の下をくぐって、細長い公園に入った。

 ここからもう五分ぐらいでヒロキさんの家に着いてしまう。

 どうしよう。

 私は落ち着こうとサトミにメールする。

 サトミやカオリは高校で授業中かお昼休みのはずだ。

《ヤバイよ、来ちゃったよ

 彼の家まであとちょっと。

 どうしよう、ドキドキで具合が悪くなりそう

 私が倒れたら救急車呼んでよ》

 サトミから返事が来た。

《うん、今、119番に電話してやったぞ

 けど、恋の病では出動しないって(爆藁)

 恋の病で散るならいいじゃないか
 
 振り返るな、彼の胸に突撃あるのみ

 セイコウを祈る》

 続いてこころはカオリにもメールする。

《ヤバイよ、彼の家まであと数ブロック

 もうだめ、足が震えちゃぅ
 
 ここから先には進めなぃよ

 今日はあきらめて、別の日にしよぅか》

 カオリから返事だ。

《弱虫、ここで弱気になってどうすんのよ

 彼の胸に飛び込みなよ!

 今、ちょうど昼休みで、サトミは私の隣にいるんだけど、
 
 ココロと彼との抱擁を妄想して、ヨダレを垂らしてるよ》

 こころは噴き出して、携帯をしまった。


 心に迷いはない。

 ヒロキさんに告白するのだ。

 私はヒロキさんの家の玄関の前に立った。
 
 チャイムのボタンに指を伸ばして引っ込める。
 
 もう一度深呼吸してみる。
 
 昨日のメールでは、体調はまあまあと書いてきたヒロキさんのまだ見ぬ笑顔を想像する。

 こころは、ゆっくりとチャイムを押した。

 あ、いけない、またドキドキしてきた。

「はい?」

 インターホンから、ヒロキさんのお母さんらしき声がした。

「あ、あの、私、川津辺こころです。

 ヒロキさんにいつもお世話になってます」

「あ。こころさん。来てくれたのね。

 ちょっと待って」

 私はドアの開くのを待った。


 f_02.gif プログ村

2発病-1  に続く 

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gingak
  • Author: gingak
  • 銀河 径一郎
    (ケイイチロー・ギンガ)
    好きな言葉は『信じる』。
    『地球人も宇宙人』。
    写真はッシェル・ポルナ
    レフの真似です

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